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2013/03/09

報告:猫カフェでの哲学カフェ「猫の魅力とは?」

三浦です。
先月の11日に猫カフェ「Cats Gallery」にて「猫の魅力とは?」と題する哲学カフェを行ないました。
4月から新たに哲学カフェを行なう「カフェティグレ」もそうですが、Cats Galleryは後期の私の授業を受講していた学生が紹介してくれた場所です。お店側との交渉やチラシの作製も二人の学生が担ってくれました。

さて、「猫の魅力」として最初に出てきたのは「自由気まま」で「自立している」という点。猫は「群れを作らない性格」で、よって「猫っぽい性格の人は、孤独を愛せる人だ」という意見から、「プライドが高く」、「猫好きには芸術家が多い」という意見も出ました。いっぽう、忠犬ハチに代表されるように、犬は主人に付き従い(それに対して猫は家、つまりは場所につく)、群れを成すというように、猫と犬との対比もなされました。猫カフェの登場など猫に癒される人が多くなってきたのも、いわゆる高度成長期からずっと続いてきた「群れを成して、会社に忠誠を誓う犬的なマインド」から、長く続く不景気に「無縁社会」という言葉にも象徴される単身世帯の増加など、「孤独に生きざるをえない猫的なマインド」へと私たちの意識が変わってきたからかもしれません。

また、泥棒ネコにネコババ、負け犬や犬畜生など、日常の語彙に犬や猫が入り込んでいるという指摘から、ドラ息子やドラ猫の「ドラ」とはどういう意味なんだろうという疑問、そして犬は噛むのに対して猫は引っ掻くことから、ネコ娘など猫は女性に近しい(そういえば「キャッツ・アイ」という女性の怪盗が主人公のマンガもありました)という意見など、私たち人間と猫/犬の切っても切れない関係を示す考えも出ました。

そして、「そもそも私たちはどういうものに魅力を感じるのか?」という私の問いかけから、ブランド品や神秘的(ミステリアス)なものにひとは魅力を感じ、それに対してありきたりなものには「フェチ」という嗜癖が出てきたりもするというように、私たち人間自身に目を向ける意見も出て、最終的には猫の魅力とは「つかめそうでつかめない」ところ、「ほどほどの距離感を保つ」から猫に対しては「飽きが来ない」のだろうということを確認して二時間弱の対話を終えました。

Cats Galleryのオーナーさんが椙山女学園大学のOGということもあって、これからも好きなようにレンタルスペースを使わせていただけるということで、次回からは猫を題材とした(あるいは猫が主人公の)絵本や物語を導きの糸としながら対話を行なう「ネコトーーク」として続けていく予定です。

 
哲学カフェ終了後に隣接する猫カフェを眺める参加者たち
 Cats Galleryには10匹あまりの個性豊かな猫たちがいます