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2014/06/19

旅をする?

こんにちは、まつかわです。
先週日曜日は、岡山大学城下ステーションにて哲学カフェでした。

テーマは「旅をする」。
「旅に出たい」という気持ちはどこから出るのか?という話題から始まり、参加者のみなさんの体験談を交えながら、おおきく、2つの問いについて考えました。

●どこからが旅行?
旅行かどうかは何によって決まるのか?
同じように岡山から京都へ行く場合でも、「日帰り旅行」と捉える人と、「旅行ではない。ちょっとしたおでかけ」と捉える人がいることを考えると、距離や宿泊の有無ではなさそうです。
ああでもない、こうでもないと考えた結果、「そこが自分のテリトリーかどうかがポイントではないか」という仮説が、かなり説得力をもって展開されました。
京都が自分のテリトリーである人にとっては「ちょっとしたお出かけ」だけど、京都がテリトリーではない人にとっては「旅行」になる。

●「旅行」と「旅」のちがいは?
「旅行には行ったことあるけど、旅ってしたことがあるのかな?ないような気がする」という発言から、「旅行」と「旅」のちがいが、もうひとつの問いとしてあがってきました。私たちが結論に至るまでの道筋を、ざっとご紹介しましょう。

  • 「旅行」は何らかの目的があるけれど、「旅」は途中が大事。
  • 「旅行」は帰る日が決まっているけれど、「旅」は帰る日が決まっていない。あるいは、決まっていた日に帰れるかどうかわからない不安や不確定性を孕んでいる。
  • アクシデントやトラブルが生じたとたん、「旅行」が「旅」になることもある。
  • 「旅」にでると、必死にトラブルを解決する過程で人は成長する(「かわいい子には旅をさせよ」)。
  • 上記の理由から、新宿駅周辺は、「旅行」を「旅」に変える不思議な力が働いている。
  • 同じ理由で、スマホがなければ、「旅行」が「旅」に変わる可能性がある。
  • 同じ理由で、ヨーロッパでつくられているガイドブック(場所の名前だけで、写真も地図も行き方もない)も、「旅行」を「旅」にしてしまう恐ろしさがある。
  • スマホがなければ、海外や他府県にいかなくても、「旅」ができるのではないか。
  • 結論:スマホを捨て、旅にでよう!


他に、「旅行でしか体験できないこと」や「旅行嫌いの人とそうでない人はどうちがうのか」などの話題でも盛り上がり、2時間の対話を終えるころには、スマホを置いて旅に出る気満々の人と、「心配性の自分には旅なんて絶対ムリ」という人とで、ひとつの旅を終えたような連帯感と清々しい満足感がありました。

さて、次回の哲学カフェ@城下ステーションは7月6日。
テーマは七夕にちなんで、「人はなぜ恋をするのか」です。
終了後、近所の岡山神社で七夕祭りに繰り出せるよう、時間15:00〜17:00といつもより遅めです。
詳細はこちらをどうぞ。

同じ7月、昨年ミルトークでお世話になったお向かいのオリエント美術館では、「文明の十字路 シリア」という企画展が催されます。
「シリアトーク」なるイベントもあるので、チェックしてみてください。
詳細は、オリエント美術館のHPをどうぞ。
チラシはこちら