ページ

2015/02/04

NSDセミナー@尼崎

こんにちは、まつかわです。
風邪で1週間以上寝込んでしまい、前回の更新から少し間が空いてしまいました。
すみません。
今年の風邪は喉にきます。
みなさんもお気をつけください。

さて、1月24日から25日の2日間、尼崎で開催したセミナーのご報告です。

今回は、哲学カフェに慣れ親しんだ5名の方が参加されました。
最初に自己紹介がてらウォーミングアップをしてから、山登りに例えて「ネオ・ソクラティックダイアローグって何?」という説明をさせていただき、いよいよ登山開始です。

みなさん哲学カフェで慣れているだけあって、最初のステップ「問いを立てる」ところは、なかなかスムーズに進んだのではないでしょうか。
今回、選ばれた問いは「ゆるすとは?」でした。
途中、「許す」と「赦す」はどうちがうか、今回考えたい「ゆるす」はどんな「ゆるす」かを議論した末、あえてひらがなで表記することになりました。



そして、午後の、それぞれが例を出すところまではよかったのですが・・・例を選ぶ場面が危なかった!
誰かが強く「これ!」と思うものは「それだけは無理」という人がいたり、票が多く集まった例も残り1人が納得できず・・・ということを何度か繰り返し、なかなか全員の意見が合いません。
多くの票が集まった2つの例をめぐってずいぶん長い間議論し尽くし「大丈夫かな、ここから一歩も動けなくなったらどうしよう」と思ったとき、「いっそ、この2つは候補から退けて、他から選ぼう」という提案のおかげで、ようやく歩を進めることができました。
ここが今回の登山でいうと8合目あたり。
参加者のみなさんが2日間を通して一番キツいところだったのではないでしょうか。



2つめの難所は、2日目の午後。
選ばれた例の記述を終え、いくつかのポイントを選び、そのポイントから最初の問いの答えを探す場面です。

午前中のうちに、例のなかから「ゆるすとは?」の答えとして「自分にとって受け入れがたいことを」という要素が出てきました(みなさん、驚異的なスピードで1日目の遅れを巻き返してくれました)。
実はこの「自分にとって受け入れがたいこと」という言葉、2日目のだいぶ早い段階で出ていました。
しかし、そのときは、このポイントを指すもっと適切な言葉があるのではと全員が考えていたようです。
他の様々な言葉を駆使して例のなかでなにが「ゆるす」のポイントになっているかさんざん議論し、疲れ果てたころ、もう一度この言葉に戻り、この言葉が一番しっくりくるという結論に至りました。
結論だけきけば「なーんだ」と思うかもしれません。
でも、最初にこの言葉が出てきたときと、最後にこの言葉をもう一度口にしたときとでは、みなさんの表情が全然ちがうんです。
納得して選ぶってこういうことか、と改めて実感させられた場面でした。

清々しい気持ちで午前中のワークを終え、全員でランチに韓国料理でビビンババイキングに繰り出した後、2つめの難所がやってきます。

さらにじっくり例を検討した結果、5人は2時間かけ、「自分にとって受け入れがたいことを受け入れる」には、そしてそれが「諦める」でないためには、そのときの自分自身のコンディションと相手のアクションにもポイントがあるという結論に達しました。
が、その自分自身のコンディションと相手のアクション(と、ここで私が勝手に書いているもの)がどのような状態かを言葉にしようとすると、なかなか全員がしっくりくる言葉が見つからない・・・。

残念ながら、今回はここで時間切れ。
あと残り1合というところで各自の答えを発表し合い、途中解散となりました。
おしかった!

しかし、受け入れがたい気持ちを受け入れようとするときの自分の気持ちをどう表現するかを巡る議論は、一つの言葉からそれぞれが抱くイメージのギャップが明らかになり、非常に興味深かった。
今後、誰かをゆるしたり、誰かにゆるされたりするたびに、思い出しそうです。



今回、2日間を通してすごくよかったのは、NSDのあいだ全ての食事を全員で共にできたことです。(1日目のランチは地中海料理、ディナーはイタリアン、2日目のランチは韓国料理でした。)
午後の休憩、おやつタイムにも和菓子談義に花を咲かせたり・・・。

参加者の方がもってきてくださった、とらやの羊羹

途中、意見がなかなか合わず難航する場面もありましたが(NSDでは毎回のことですが)、こうした時間を共にすることで、なんとか最後まで全員で歩めたように思います。

今回、参加者のみなさんにも感想をお願いすることにしました。
また、このブログやニューズレターでご紹介させていただきます。お楽しみに。