先週土曜日、3月24日(土)は、東京へ。
出張ついでに、神保町の哲学カフェに参加してきました。
テーマは、「自分を信じるとはどういうことか?」
定員いっぱい約25名の方が参加されていました。
まず、びっくりしたのが、会場のCafe Klein Blueが大通りに面してるということ。
「2時間貸し切りでつかわせてくれるなんて、裏道にちがいない」と思い込み、迷子になりかけました。失敗。
「もしや」と表通りにでて、細い階段をあがって無事に会場にたどり着き、進行の寺田さんの顔をみたときはほっとしました。
Cafe Klein Blueのカップコレクション |
東京と大阪の文化のちがいなのか、あの場所特有なのか、今回が特別そうだったのか、わかりませんが・・・
メモをとってきちんと自分が言いたいことを整理してからよどみなく話す人がとても多い。
以前映像でみたことのあるパリの哲学カフェと似てる、と思いました。
私が普段参加してる育児サークルや大阪のビジネス街でも、メモをとって話す人はいますがあんなに多くはないし、「考えてから話す」というより話しながら考える、あるいは迷いをそのまま口に出す人がもっと多い気がします。
私はそういう未完成な思考が生成される瞬間をみるのが好きなんですが・・・
Cafe Klein Blueでの哲学カフェがすばらしかったのは、みなさんがあんなに迷いなく自分の意見をはっきり表明してるのに、それぞれの意見がバラバラで終わるのではなく、対話のなかで関連づけられながら共同の思考が展開していくところ。
進行の寺田さんがそういう対話を目指していることは知っていましたが、実際目の当たりにすると、「これかぁ」という感動がありました。
写真でみて赤っぽい部屋かと思ってたけれど、これ照明の効果なんですね。 対話の内容に夢中であまり写真とれませんでした。 |
それからもうひとつびっくりしたのが、途中でグループにわかれて話す時間が設けられたこと。これも、哲学カフェでは初めての体験で新鮮でした。
中之島哲学コレージュに「少人数で話す時間がほしい」といった要望をいただくこともありますが、実際そういう時間を設けるとその後の展開にどう影響を及ぼすか、グループ分けの際何に気をつけるべきか、体感できてよかったです。
あとやっぱり、笑いの有無は大きなちがいですね。
一度も笑いが起きない哲学カフェって、私のやる哲学カフェではあんまり記憶にないなぁ・・・って、これは私のせいでもあるのでしょうが。
笑いの起きない真面目な哲学カフェをみて、改めて哲学カフェのなかの笑いの役割について考えたりもしました。
せっかくなので議論の内容にも簡単にふれておきましょう。
前半の議論のなかで印象に残ったのは、
- 何らかの不安がないと、「自分を信じよう」なんてわざわざ思わない。
- 意識的な『信じる』と無意識的な『信じる』のちがい
といった論点です。
特に後者について、いろんな人の発言をききながら私なりに「信じる」という行為は、「信じている」という状態とは区別して考えられるんじゃないか、と思いをめぐらしたりしていました。
後半は「自己肯定感」について議論が展開されました。
全体を通じてどちらかというと「自分とは何か」より「信じるとはどういうことか」についてたくさんの意見がでた気がします。
「自分を信じるとはどういうことか?」、あまり考えたことのないテーマでしたが、考えれば考えるほど、どんどん考えたいことがでてくるテーマでした。
最後に寺田さんが言ってたように、「自分を信じるとはどういうことか?」という問いを通して「自分とは何か」や「信じるとはどういうことか」について、考えを深めることができた気がします。
いつか大阪の哲学カフェでも、同じテーマでやってみたいです。
翌日開催したセミナー「哲学ファシリテーター入門」の様子はまた今度。
写真が届いてからご報告させていただきます。