8月25日(土)にすてっぷ(とよなか男女共同参画推進センター)で開催された哲学カフェ、書きたいことがありご報告が遅れてしまいました。
テーマは、「ご近所付き合いは必要か?」。
すてっぷのスタッフの方と、たくさんの候補のなかから相談して決めました。
地域の方をサポートするすてっぷにとっても「ご近所」の問題は重要ですし、すてっぷが関わっていきたい人にとっても大事なテーマだろうと。それから、前回女性の参加者の発言がやや少なく感じたので、女性が話しやすそうなテーマを選ばせていただきました。
進行役の私も、自分のご近所づきあいについて「これでいいのかな?」と思っているところだったので、みなさんの声をきくのを楽しみにしていました。
参加者は20名ほど。
ねらいどおり女性にもたくさん発言してもらえました。
初めて哲学カフェに参加するという方もけっこういた気がします。
ご近所問題の定番、ゴミ問題から始まり、子どもや庭の木がご近所迷惑をかけないか、気の合わない人とどうつきあうか、あいさつを無視されたら?・・・などなど。ひとつひとつの例がとてもリアルなのが印象的でした。
いろんな体験談を話しながら「ご近所づきあいは何のため?」の答えは、わりとすぐでてきました。
「災害などいざというとき助け合えるように」問題はここからです。後半は主に二つのポイントをめぐって対話がなされました。
「子どもや庭木で日常的に迷惑をかけざるをえないので、普段から関係をよくしておくことが大事」
「家は寝るところだから、家で安心して過ごせるように」
ひとつは、「ほどよい距離感でつきあいたい。けど、そのためにはどうすればいい?」「そもそもほどよい距離感ってどんな関係?」ということです。
みなさんそれぞれの理由で「ご近所づきあいは必要」と言うものの、もう一方で「わずらわしい」と感じることもある。この問題について、これまた様々な体験を話しながら、「自分にとってのほどよい距離感と、相手にとってのほどよい距離感は異なる可能性がある」という問題、それから、「ほどよい距離感は時代やその人の状況によって変わるのではないか(年齢、性別、子どもの有無、共働きかどうか、一戸建てかマンションか、家=職場か家≠職場か、等々)」ということが指摘されました。
もうひとつポイントとなったのは、「ご近所づきあいはそれ以外の関係(家族や職場)とどう異なるか」ということです。
これについて「人はひとりでは生きていけない。だからご近所づきあいは必要」という意見に対して、進行役から、「家族じゃダメなんですか?」と疑問を投げかけたところ、「ご近所付き合いは誰と仲良くするか選べる。あまり険悪な関係でなければ、仲のよい人とそうでない人がいていい。選べるのが、職場の人間関係や家族とちがうところ」という意見がでました。さらに、「家が近いほど仲良くしなければというわけでもない。ちょっと離れたところに助けてくれるひとがいればいい」という言葉も。
今回の哲学カフェが始まる前、私は、「自分にとってのご近所=同じマンションに住む人」と思っていました。しかし、同じマンションに住む人とはあいさつ程度のやりとりしかない状態で、「特に困っているわけではないけれど、これでいいのかなぁ」と落ち着かない気分でいました。
今回の哲学カフェにでて、まず自分の落ち着かない気分が「家=寝るところだから安心したいけれど、隣に住んでいるのがどんな人かもよくわからなくて不安」だったということがわかりました。しかし後半、「家から30分程度のところにいざというとき助けてくれる人がいればよい。それもご近所づきあい」という意見をきいて、「ご近所」という言葉のイメージが「同じマンションに住む人」からぐっと広がり、「それならあの友だちがいてくれるから大丈夫」と安心することができました。
参加者のみなさんはどうだったでしょうか?
翌日からのご近所づきあいが劇的に変わることはなくても、私のように、明るくご近所づきあいをしていけるような気づきが少しでもあるといいなと思います。
すてっぷでの哲学カフェは今年度中にあと1回開催される予定です。
また詳細が決まりましたら、カフェフィロのHPやメールマガジンでお知らせします。
【まつかわ 今月の予定】
9/11(火) 哲学カフェ@神戸市北区子育て支援センター
テーマは当日参加者から募ります。予約不要です。→詳細
9/22(土)-23(日) カフェフィロセミナー「哲学ファシリテーター入門」
残席わずかになりました。お申し込みはお早めに。→詳細