先週火曜日、11月8日は2ヶ月に1度のグリグラ哲学カフェでした。
哲学カフェに魅せられ育児サークルを卒業しそびれてしまったお母さんたちの哲学カフェです。
テーマは「型と個性」。
「個性的であるためには型も必要だ」という言葉を聞いて考えてみたいと提案され、多数決で選ばれました。(他の候補は・・・忘れちゃった)
個人的には、どこかで聞いてきた話を取り上げるのはあまり好きではないのですが、
「わたしもそれ聞いて気になってたんだけど・・・それが“なるほど”の気になるなのか、“それちゃうやろ”の気になるなのかわからなくて」
という声に、どっちの“気になる”かはっきりさせてやろうとやる気ががむくむくと。
主な論点をあげると、「型って何?個性って何?」、「型と個性の関係は?」、「個性っていいもの?」の3つになるでしょうか。
それぞれ、重要な意見、面白い発言をざざっと紹介しておきましょう。
型って何? 個性って何?
- 型破り=個性?
- みんなとちがうのが個性?
- 何をもって個性的かどうか判断するの?
- 個性を誰がどう判断するのか?
- 上手いなと思う絵には「個性的ですね」って言わない。『上手ですね』って言う。「個性的ですね」って言うのはむしろ下手な絵について。
- つけまつげは、もはや「型」!
- 個性は少数派のことかとおもってたけど、話しているうちにみんながもってるひとりひとりの性質のことのような気がしてきた。
型と個性の関係は?
- モトがないと個性かどうかわからない。
- ひとりひとりが自分に合ったやり方を追求していけば、みんな同じ型にいきつくんじゃないか。
- 初めは型から入って、だんだん自分らしさがでてくることもある。
個性はいいもの?
- 型だけじゃ上手くはなれない。アレンジ力が必要。(落語の例をあげながら)
- 個性的かどうかはどうでもいい。その人に合ってるかどうかが大切。
- 個性を尊重するといっても、守らなければいけないこともある。
- いいとかわるいとか言えないもの、評価しきれないものに私たちは"個性的”っていうラベルを貼るんじゃないか。
私は毎回、一番面白いと思った発言に「今日のソクラテス賞」なるものを密かに授与しているのですが(密かになので、賞金も賞品ももらえません)、今回は2ついいのがあって、迷っています。
ひとつめは、私の「みんながイメージする型って何?」の投げかけに絶妙なタイミングで答えてくれた、「つけまつげは、もはや型!」。
その場では、この発言になんでそんなに惹かれた理由がよくわからなかったのですが、あとから考えると、型にも流行があることを今らしく表現するうまい言葉です。
ふたつめは、「“個性的な人”ってありえる?」。
「ファッションや生活の仕方が個性的というのはわかるけど、個性的な人というのはありえないんじゃないか」というわけです。
「あの人個性的やなぁ」なんてきくことはありますが、それはファッションや生活のごく一部、その人のごく一部を取り出してその人をまるごと評価してしまっているんじゃないかと気づかせてくれる発言でした。
その後すぐ、「私たちはいいとかわるいとか評価しきれない、評価軸からはずれるものに対して、無理矢理“個性”というラベルを貼って処理しているんじゃないか」→「評価軸そのものがずれてる人は個性的って言われちゃうかも」などなど、思考を刺激してくれる投げかけでした。
次回のグリグラ哲学カフェは、来年1月10日(火)です。
主催しているのはお母さんたちですが、平日お休みの方、定年退職した方、学生さんなども大歓迎です。
ぜひ、気軽にご参加ください。