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2013/07/11

女性のためのてつがくカフェ 「子どものしあわせ」 

「女性のためのてつがくカフェ」のひろいです。
東京都港区の神谷町光明寺さんで初の女性限定の哲学カフェを開催しました。

猛暑の中で「子どものしあわせ」を考えました
7月10日(水)午前、35度の猛暑にもかかわらず10名の方にご参加いただきました。
神風ならぬ仏風とでも言いましょうか、オープンテラスに吹いてくれた風のおかげで2時間の対話は無事に終了しました。

初回のテーマは「子どものしあわせ」。
平日の午前中開催ということもあり30代~50代のお母さん方が中心でしたが、10代の大学生も参加してくださいました。

簡単な自己紹介と哲学カフェの説明に続いてさっそく本題に。
「子どものしあわせ」をどういった方面から考えたいか、体験やエピソードとともにお話しいただきました。

1.子どものしあわせに経済(お金)はどのように影響するか
2.他人の子どもにも自分の子どもと同様のしあわせを願えるか
3.子どもの「sense of wonder」を大人はなぜ奪うのか
4.大人の考える子どものしあわせと子どもが考える子どものしあわせにギャップがあるのはなぜか
5.大人はなぜ子どもに対等性や平等性を教えることができないのか

考えてみたいこととしてあげられた5つの中から選ばれたのは4番。提案してくれたのは「子ども代表として参加しました」と自己紹介してくれた19歳の大学生でした。

「大人の考える子どものしあわせと子どもが考える子どものしあわせにギャップがあるのはなぜか」

ひとまず今は母というポジションを忘れて少女時代に戻ってみることを進行役から提案しました。皆さんは少し考えた後に子どもの頃大人に対して感じた不満が次々に出てきて、「そうそう」「あったあった」など頷き合ったり首を傾げたりして徐々に盛り上がっていきました。
 
・親や教師は子どもを決めつけたがる
・大人は他人の目を気にする
・大人の言うことには一貫性が無い
・大人は口ばかり

しあわせの規準は「自分」?「お母さん」?

つぎに、子ども時代にどういう時がしあわせだったかということをあげてもらったところ、しあわせを感じる規準には大きく分けて二つあるのではないかということになりました。
とにかく自分のやりたいことを自由にやれることが何よりしあわせだったという意見と、お母さんの笑顔を見るのがしあわせだったという意見です。
この辺りは気になるところですが、いったん休憩に。

後半は大人の考える子どものしあわせについて考えることにしました。
ところが、前半の流れから反省会&「子どものしあわせのために大人はどうあるべきか?」というようなこれからの抱負を語る建設的で前向きな会となっていきました。

・大人が世間体を気にするのは自己肯定感がないから
・口だけでなく行動する大人になる
・一人の人間としての多様性を尊重する
・あえて親の未熟さを見せたい
・親も成長過程であることを自覚し、子どもにも伝えたい
・子どもに対する所有欲を手放す

自分を客観視できて、前向きで、変化も厭わない柔軟性も持ち合わせていて、世界中のお母さん達がこんなに前向きで素敵なお母さんばかりだったら子どもたちはどんなにしあわせでしょう!

しあわせのギャップのなぜ?は次への課題

今回はここで時間となりました。「しあわせのギャップのなぜ?」について考えることはできませんでしたが、それは次の機会への課題にしたいと思います。また、「子どもはしあわせを意識していないのではないか?」という意見も出たので、その点も別の機会に考えてみたいと思います。

皆さんの感想としては、「いろいろな視点をもらった」「自分がこんなに熱い想いを持っているとは思わなかった」「話しているうちに自分の考えていたことが見えてきた」「まだまだ上に行けると思った」「暑かったけど風が心地よかった」「音がうるさかった(草刈りの機械音)」などをいただきました。

次回は8月20日(火)9:30~11:30です

引き続きまだまだ暑いと思いますが、ご都合のつく方はぜひご参加くださいませ。団扇を用意してお待ちしています!なお、9月は鎌倉哲学カフェの堀田利恵子さんを、10月はカフェフィロではお馴染みの井尻貴子さんを進行役にお招きする予定です。どうぞお楽しみに。

                                         文責: 廣井 泉