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2010/10/24

哲学カフェ「オレのことを歌で証明」

哲学カフェ:「オレのことを歌で証明」
日時:10月24日10:00-12:00
場所:とよなか国際交流センター
進行役:中岡成文
ゲスト:ナムさん(ラップ歌手)

中岡です。
とよなか「つながりフェスタ2010」(とよなか国際交流センター)で哲学カフェをやりました。ゲストは、臨床哲学の「移民対話コンポ分科会」でかかわっている神戸市長田区たかとりカトリック教会を拠点とするベトナム・コミュニティに属する、ラップ歌手のナムさんです。

参加者は最初10名内外でしたが、途中でナムさんがなまで歌ってくれたときは、(交流センターのスタッフが呼び込んでくださった)多数のちびっことその親たちが詰めかけて、一挙に30名以上に膨れ上がったように思います。歌を扱った哲学カフェは2度目だそうですが、それでも異色のカフェになったと思います。

最初にナムさんのCD "First Contact"から「オレの歌」(4分12秒)を参加者に聞いてもらいました。ベトナムからボートピープルとしてやってきた親たち、そして日本で生まれ育ったご自分の経験が歯切れのいい言葉とリズムで表現されています。私がいいと思っていた歌詞は、「感謝する戦争を生き抜いたじいちゃんに 有難う死なずに海を越えてくれたことに」「知らなかったぜマイライフ 始まりはボートピープル」「日本人になりきりすぎて 大切な母国語を話さなくなった」「オレはオレの事をオレの歌で証明」などです。

しかし、実は会場にナム君がいることを前半はあえて隠していたためもあり、ラップにはなじみがないという参加者から、「そもそもこの歌詞の内容は事実なのか、創作ではないと言い切れるのか」と質問が出て、意外な角度から対話に入っていくことになりました。かと思えば、「自分の姫路の職場にベトナム籍の若者がおり、周囲とうまくいっていないのに、ただ「がまん」して時間をやり過ごしているだけのように見える。どう接したらいいのかそのきっかけをつかみたい」と参加の動機を語る方もいました。

時間が半分ほど経過したとき、参加者の中にナムさんがいることを告げ、今度はベトナム語ヴァージョンの「オレの歌」やその他の歌をなまで歌ってもらい、会場は盛り上がりました。

 ライブの後ももちろん対話を続け、進行役にとっても興味深い発言、切り口が次々に出てきましたがここでは省略します。前述の姫路からの参加者に応え、ナムさんが、「ラップという表現方法に巡り合えて自分はよかったし、そのようにできない人は自分が代わって表現したい」と宣言したのが印象的でした。

ブログへの投稿は初めてで、もたついた報告になったかと思います。読みにくくてごめんなさい。