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2010/11/08

テツドク!〜報告の前に

こんにちは。テツドクという企画を担当しているくわばらです。

11月4日、南森町にある〈さする庵〉にて「テツドク!」を開催しました。取り上げたのはミシェル・フーコー、『性の歴史1 知への意志』。ご参加頂いたみなさま、ありがとうございました。

その報告をしたいのですが、はじめてブログに投稿しますので、ご存じない方のため、テツドクのことを少し紹介させていただきます。

「テツドク!」(哲読)は、「哲学者の言葉にふれてみよう」をコンセプトに、毎回一人の哲学者の一冊の本を取り上げて紹介する企画です。

哲学書を手に取ってみたけれど、開いたページに目を走らせて、そのままそっと書架に戻してしまう。そういう経験をもつひとは少なくないのではないでしょうか。もう少し哲学書との幸せな出会い方がないものか。そんな思い(つき)からこの企画はスタートしました。

哲学書との幸せな出会い。いろいろな考えがあると思うのですが、私は、その文言や人に惹きつけられてしまうこと、細くとも末永いお付き合いがはじまってしまうこと、そういう出会いが幸せな出会いではないかと思っています。

参加者と、哲学書の、幸福な出会い。テツドクでは、取り上げる哲学書の内容を厳密に伝えようとか、簡単に理解できるようにしようとか、そういった事柄はさしあたり脇においておくつもりです。大事にしたいのは、その言葉や人物に参加者の心がざわめき、興味がかきたてられていくことです。

テツドクには紹介者が一人いますが、必ずしも専門家ではありません。というのは、彼・彼女らが何を知っているか・いないかということはたいしたことではないからです。私が願うのは、紹介者の関心に参加者が巻き込まれていくことです。哲学カフェにも共通することかもしれませんが、他人の関心に巻き込まれていく経験の中ではじまってしまうような学びや楽しみがあると信じています。

その意味では、哲学書とのお見合いのようなものかもしれません。引き合わせてしまえばあとはみなさまのご自由に。もし誤りや、偏りや、不正確な事柄があったとしても、興味がわき、この先のお付き合いが長くなるなら、それらを訂正してくれるに有益な本や、先生や、さまざまなツールに自ずと導かれていくことになるのではないでしょうか。

哲学のみならず、思想家や宗教家もまた取り上げています。過去に紹介したリストを以下あげておきたいと思います。

-第1回:九鬼周造『偶然性の問題』
-第2回:市川浩『〈身〉の構造』
-第3回:西田幾多郎『私と汝』
-第4回:鷲田清一『聴くことの力』
-第5回:南方熊楠『南方熊楠随筆集』
-第6回:慈円『愚管抄』
-第7回:岡本太郎『沖縄文化論』
-第8回:中村雄二郎『共通感覚論』
-第9回:ルネ・デカルト『方法序説』
-第10回:ミシェル・フーコー『性の歴史1 知への意志』

長くなりました。肝心の「11月テツドク!報告」は改めておこないたいと思います。

それではみなさま、ごきげんよろしく。