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2011/07/20

なんと嵐の日にテツドクのためだけに遠方から高速バスで!

ふたをあけてびっくりでした。1つ目はその日のその時間、近畿圏で大阪だけが警報を免れていたこと。2つ目はキャンセルが1件しかなかったばかりか、当日申し込みもあったこと。そして3つ目が表題のとおり、なんと嵐の日にテツドクのためだけに遠方からの参加者があったこと。中止にしなくて本当によかったと胸をなで下ろした次第です。(「24時頃のバスで帰ります」とおっしゃっていたのですが、無事に帰ることができたのでしょうか…。)

7/19のテツドクはキルケゴール『死にいたる病』を取り上げました。紹介者は服部佐和子さんです。
「ひとつの関係、その関係それ自身に関係する関係」「その関係において、その関係それ自身に関係すること」「関係そのものではなくて、関係がそれ自身に関係するということ」
来たか、やっぱり来たかというあの冒頭の段落には、「関係」という言葉が10回も登場します。頭を抱えてしまいますが、それを見越して、服部さんが予めイメージ図を作ってくれてました。それでもやっぱり難しいのですが…みなさんの話を聞きながら、私の中では少しだけ腑に落ちたところもあります。もし無数の関係性が自己において収斂しているとすれば、そんなことは絶対者との関係抜きでは起こりえない。関係を集約(総合)するための最後の関係が他者との関係にリンクしているという思考の筋道は、何となくわかるような気がします。(少し前にはやった言葉でいうと、そこでいう関係の関係は、直接的な関係というよりも、関係同士が併発するような、スーパービーンに近いのでしょうか・・・)。

今回は抜粋を一つずつ、丁寧にみていきました。ところどころ難渋を極める文章のせいもあって、いつもにくらべて静かな会でしたが、みなさん、眉間に皺をよせながら言葉を噛みしめていたような気がします。いや、実はお手上げ状態だったのかもしれませんが・・・(そういえば、私が前日にブログにあげた2カ所のうち1カ所が取り上げられてました。ちょっとだけ、うれしい。)

さて、終了後、遠方からいらっしゃった参加者と少しお話ししたのですが、参考になる感想を頂きました。哲学カフェと違って、私や紹介者への気兼ねもあって「発言していいのかな・・・」と躊躇われたり、発言した後に不安になったりということもあったようです。常連の方も増え、このところ油断気味なので、雰囲気作りやアナウンスも大事だなと改めて思った次第です。

ちなみにはるばる遠くからいらっしゃった理由は、関東では、大学以外でこのような哲学書に触れる場がなかなか見つからないからとのこと。哲学カフェは関東でもあるのですが、この種のイベントは意外と少ないんでしょうかね・・・。

次回は9月5日の月曜日です。予定では神谷美恵子さんを取り上げる予定です。その生涯と思想にぜひ触れてください。

参加者のみなさま、悪天候のなかほんとうにご参加ありがとうございました。/くわばら