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2013/08/04

報告:哲学カフェ「能力によって選挙権を制限することは許されるか?」

こんにちは、まつかわです。
先週7月28日は、岡山大学のまちなかキャンパス「城下ステーション」の哲学カフェでした。

テーマは「能力によって選挙権を制限することは許されるか」。
最初に、行政書士として障がい者の支援をされている瓜生さんが、話題提供として今年5月に改正された成年被後見人の選挙についてお話してくださいました。

また、参加者としていらしていたもう一人の行政書士の方も・・・

1)財産管理等のために成年後見人はついているけど、他の人のサポートがなくても自分で選挙に行ける人
2)意識不明などで選挙に行けない人
3)1、2どちらでもない人

・・・というふうに分類しながら、実際に現場でどんな困難があるかお話ししてくださいました。

「選挙権が与えられるだけでは、それを行使することはできない。行使するためには、それぞれ別のサポートが必要」「言語とは異なるシグナルを発しても、その人の母親にしかそれを理解できないような場合どうするか。立会人だけだと、障がい者の選挙権が阻害されてしまう恐れがある」といったリアルな指摘をもとに、以下のような論点が浮かび上がってきました。


  • 選挙に必要な能力とは何か
  • 判断能力があるとかないとか、誰が判断するの?
  • 後見人や家族が与えてしまう影響をどう考えるか
  • 権利は行使しないといけないの?
  • そもそも選挙で投票するとは、どのような行為なのか


なかでも、最も考えさせられたのは、「立会人が、選挙権行使の意志を聴き取らなくてはならないが、その聴き取り能力は問われていない」という指摘です。
投票する人の意思表示の力だけでなく、意思表示を受信する側の力も問う必要があるのではないかという意見がでました。
秘密投票を保持しながらとなると難しいとは思いますが、能力があるから選挙権が与えるというのではなく、なるべく多くの人のが選挙権を行使できるように社会的サポートが磨かれていくといいなと感じました。

ほかにも、「子どもに選挙権が認められないのはなぜ?」と考えてみたり、「女性が選挙権をもたなかった時代だったら・・・」と想像してみたり、当然のように受け取っている投票所入場券のありがたさが身にしみる一日でした。


岩淵さんが出張でお休みで、写真を撮りそびれてしまったので、今朝の朝市で撮った瓜生さんの写真を・・・右の方が瓜生さん。奥の方が、瓜生さんを紹介してくださった花野さんです。


瓜生さんたち、NPO法人地域生活総合支援センターはあとふるネットワークの方々は、こうして毎月、岡山や倉敷の朝市で無料相談会を開いているんです。



実は、今回の企画も、この朝市でお話したのがきっかけで実現しました。
いつも盛況で、相談者が途切れる瞬間を待って写真を撮らせていただきました。
ついでに、花野さんと別の企画について相談も・・・。
こちらは今度はファッション関連のテーマです。お楽しみに♪


この夏は、政治についてちょっと考えてみようと、8月に政治について考えるイベントを、もう一つ用意しています。
ホッブズとロックの思想も紹介します。
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