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2013/12/18

“差別”とはなにか

こんにちは、まつかわです。
昨日12月17日はさする庵にて、「対話する哲学教室」を開催しました。
定員いっぱいの15名の方が参加され、『中学生からの対話する哲学教室』第9章を参考に、「“差別”とはなにか」について考えました。



前半は、公民権運動の指導者マルコムXの自伝を読んで、後半はコーネル・ウェストの「積極的差別是正措置」とジョン・ロールズの「無知のヴェール」および「格差原理」の考えについて、意見を交わしました。
特に以下2点で、意見や考える方向性が分かれましたね。

  1. 自覚がなければ差別ではないのか、それとも差別は常に無自覚に行われるものなのか。
  2. ある言動が差別的かどうかはそのときの社会的状況を考慮して判断すべきか、それともいったん現状を忘れてあるべき理想の社会から考えるべきか。
もともとアメリカの教科書なので、黒人差別という私たちにとってはちょっと縁遠い問題でしたが、「これは、現代の日本社会でいうとどういう状況なのだろう?」と考える際には、みなさんの経験が役に立ちました。
私にとっては、女性差別についての男性の発言も、新鮮で考えさせられるものでした。

前にも書いたように、このテキストでこの章だけ対話篇ではなく自伝が採用された背景には、“差別”という問題について、差別する側とされる側が立場を超えて対等に対話することの難しいという事情があるのではと私は考えています。
哲学カフェもそうですが、この哲学教室もまた、立場の異なる人々が対等に話し合い共に考えられるような社会づくりに少しでも貢献できればと願っています。


寒いなかご参加くださったみなさん、ありがとうございました。
今回は残念ながら体調不良で参加できなかった方、お大事に。次回のご参加をお待ちしております。