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2014/09/16

8月30日千里哲学カフェの開催報告

千里哲学カフェ報告

みなさまこんばんは。赤井です。遅くなりましたが千里コラボでの哲学カフェの開催報告です。賑やかで楽しい哲学カフェでした。

2014(H26)830日土曜日 14:00-16:00 場所:千里コラボ第一会議室
テーマ:「意味がわかる」とはどういうことか?

会場は満席です。事務局によると予約は早々に埋まりお断りする方がたくさん居られたとのことです。今日の千里哲学カフェはまず、意味とはある事柄の価値とその内容を示しているのでしょう。と言うご発言から始まりました。

◆主観的な意味
 「意味が分かる」と言うとき、その答えは決まっているものでしょうか。意味には主観的な意味と客観的な意味があると思います。客観的な意味とは例えば辞書に書いてあって誰が読んでも了解できるような、あるいは数学や物理学での定理や公理などのことではないでしょうか。
 ならば、主観的な意味について言うと、発信者と受取る者の間で齟齬が生じる可能性があって、そこで「わかる」「わからない」と言う事が生じているのではないでしょうか。

◆分かると言うこと
 日常生活ではものごとを「比喩」や「皮肉」や「嫌み」等とともに理解していると思います。「意味が分かる」という言葉は日常あまり使いません。似た言葉ですが、「意図が分かる」と言うことはあると思います。
 他人の言っている事の意味が分かる、言葉の意味が本当に分かるとは、常識的に分かるとか、新しく理由を提示されて分かるとか、日常生活では好みの問題でもあるようです。

◆伝える、伝わる
 自分の思っていることが他人になかなか伝わらない、分かってもらいたいと思っても相手の経験の有無や想像力、本能が関与しているのではないでしょうか。

◆ロボットと人
 「分かる」と言う事を人間とロボットで比べてみました。

<人>が分かるとは、
 人間は、あいまいで哲学や情緒を持っており複雑な存在です。神経だけではなくホルモンの働きによっても制御されていて感受性や五感を持ち、本能を持っています。楽をしたいと思うし、分かりたいとも思います。意味付けるときは類推を働かせています。

<ロボット>は分かるのか?
 「意味がわかりました」と言わせるプログラムは可能ですし、情緒もプログラミング可能でしょう。一方で答えのでない計算もあるので、分からないと言うことをロボットにも言わせることが出来るでしょう。
 ただし、準備されていない事は出来ないしロボットの実態は電子回路そのものなのだと思います。ですから、ロボットやコンピュータが理解する、分かると言うことは、意味付け=名付け=コード化することによって抽象化する、と言う事でしょうか。
 しかしロボットやコンピュータが行う情報処理と意味が分かるということはイコールではないと思います。

◆意味が分かるVS意味が分からない
意味が「分かる」と「分からない」を対比してみました。

<意味が分かる>とは例えば、
 意図が分かるということに近くて、システムやからくりが分かると言うことでしょう。
 理解できる、動機が分かる、実践できる、結果が出る、納得できている、身に付いている、位置づけが分かる等と言うことでしょう。
 ロジックが少々矛盾していても理解できることもあります。言葉がわかるということは、発信者がいると言うことでもあります。

<意味が分からない>とは、
意図が分からない、不同意である。理解できない。知らない外国語のようにわからない。動機が分からない、実践できてなかった、結果が出ない、納得できない、身に付いていない、位置づけが分からない、発信者がいない等と言うことが含まれています。

◆意味を育てる
 意味が分かると言うとき、賛成や同意を現していると思います。意味が分かってしまうと、疑いなく受け入れられます。
 薬を開発するときその効果を確認するため偽薬を使ってテストをします。その時、偽薬は脳に錯覚を起こしているのですが、偽薬であっても一定の効果が確認できることがあるので、このことは偽薬にも意味が産まれていると言うことではないでしょうか。
 意味づけとは意味を発生させている。イメージや価値づけることでしょう。翻訳や通訳は、意味を育てているのではないでしょうか。


たくさんのご発言を頂き、あっという間の2時間でした。みなさん楽しんで頂けた様子でした。次回は1129日土曜日です。