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2014/12/20

介護は誰の役割?

こんにちは、まつかわです。
今日は昼から、岡山市立中央公民館と山陽女子高校のコラボ企画、どーなつカフェです。

が、その前に、今週16日(火)に開催した中之島哲学コレージュのご報告。
ゲストは大阪大学の日蘭学生会議のみなさん。
年に1度、オランダの学生と議論して、アートエリアB1で学外報告会をかねて企画してくださっています。
一昨年は「働くこと」、昨年は「愛国心」でした。
今年は「高齢化」がテーマだったということで、「介護は誰の役割?」について取り上げることになりました。



 日蘭学生会議のみなさんから自己紹介、日蘭の介護状況についてお話いただたいあと、会場のみなさんと感想や意見のやりとりをしました。



「誰に介護をしてもらいたいか?」というデータについて、男性は「配偶者」という回答が多いのに対し、女性は「配偶者」の割合が低いのはなぜか、考えたり・・・。


男性のなかでも「介護してもらうなら同性の人がいい」という人と「女性に介護してほしい」という人とで意見が分かれたり・・・。


来場者の中にはオランダに在住して、介護のために日本に一時帰国中という方も・・・オランダの家族構成や社会的状況について補足していただく場面もありました。

途中までは「実際に、誰に介護してもらえるかは社会状況によって変わるのでは」、「いや、誰にも世話にならずに、最期まで自立した生きたい」、「介護を体験する機会がない」など、個人的な視点からの意見が多くでましたが、終盤には「徴兵制ならぬ徴介護制で、若い人全員が介護を体験し担う仕組みをつくっては?」と、社会的な視点から新たな介護制度のアイデアも生まれました。
そのアイデアを出したご本人が、「僕は介護なんてしたくないけれど、だからこそ、そういう仕組みが必要では」とおっしゃっていたのが印象に残っています。
個人の希望と、社会的な仕組みと、両方の視点からこの問題を考える必要があるなと感じさせられました。

学生の企画ということで、「データが不十分」、「ここがわかりにくい」などご指摘の声もありましたが、そういう率直な感想も含めて、来場者の方から多様な声を引き出せたのは学生だからこそかなと思います。(逆に、大学の先生がゲストのときは、先生への質問が多く、参加者から率直な意見を引き出すのに苦労することもあります)
中之島哲学コレージュは、大阪大学が主催しているラボカフェという枠組みのなかの1シリーズなので、それぞれの領域ですでに活躍している方とみなさんをつなぐのも大きな役割です。その一方で、大学には「教育」という重要な使命もあります。またアートエリアB1は、一方向的な知識の提供のためではなく、双方向的な知のやりとりを目的につくられた場所でもあります。
参加者のみなさんと日蘭学生会議のメンバーのやりとりをみて、今後も、学生さんの企画を積極的に取り上げていきたいな、と改めて思う時間でした。

寒いなか、ご参加くださったみなさん、ありがとうございました。


来月の中之島哲学コレージュは、3つの企画を用意しています。(詳細は、こちらよりどうぞ、)
奥では鉄道芸術祭も開催中。
寒いので、防寒を忘れずお越しください。